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東京高等裁判所 平成10年(行ケ)324号 判決 1999年3月11日

フランス国92534ルヴァロアペレセデックスリューアナトールフランス149番

原告

アシェットフィリパキプレスソシエテアノニム

代表者

ベルナールマンフロア

訴訟代理人弁護士

関根秀太

武藤佳昭

惣津晶子

神奈川県南足柄市中沼210番地

被告

富士写真フィルム株式会社

代表者代表取締役

宗雪雅幸

訴訟代理人弁護士

中村稔

松尾和子

折田忠仁

同 弁理士

加藤建二

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

この判決に対する上告のための付加期間を30日と定める。

事実

第1  請求

特許庁が平成7年審判第25972号事件について平成10年6月8日にした審決を取り消す。

第2  当事者間に争いのない事実

1  特許庁における手続の経緯

被告は、指定商品を商標法施行令(平成3年政令第299号による改正前のもの)に定める商品区分第25類「紙類、文房具類」とし、別紙1審決書写し(以下「審決書」という。)添付の別紙の構成からなる登録第2271376号商標(昭和62年1月22日出願、平成2年10月31日登録。以下「本件商標」という。)の商標権者である。

原告は、平成7年11月30日、本件商標につき、商標法50条1項に基づく取消審判を請求し、同年12月26日その予告登録がされた。

特許庁は、同請求を同年審判第25972号事件として審理した結果、平成10年6月8日、本件審判の請求は成り立たない旨の審決をし、その謄本は、同月29日原告に送達された。

2  審決の理由

審決の理由は、審決書に記載のとおりであり、審決は、被告は少なくとも平成7年10月当時「アルバム」に本件商標と色彩を同一にすれば同一と認め得る態様の商標を他の同種のアルバムと区別するための標識として使用していることが認められるから、商標法50条の規定により本件商標の登録を取り消すことはできない旨判断した。

第3  審決の取消事由

当事者の主張等(審決書2頁2行ないし9頁16行)は認める。

審決の判断(審決書9頁17行ないし12頁8行)のうち、10頁5行ないし12行、10頁17行ないし11頁10行、及び12頁7行、8行は争い、その余は認める。

審決は、本件アルバムに付された本件商標と同じ構成からなる表示(以下「引用表示」という。)の使用の対象及び引用表示の識別機能のいずれについても判断を誤ったものであるから、違法なものとして取り消されるべきである。

1  引用表示の使用の対象

(1)  指定商品中のある商品に登録商標と同一ないし類似の標章が形式的に表示されていても、その標章が当然に当該商品に「ついて」使用されたことになるものではない。当該商品に「ついて」使用されたものであるか否かは、その表示の目的及び態様、当該商品に付された他の表示との関係等を観察して判断すべきである。

(2)  本件においては、アルバムが他の指定商品以外の商品や役務の広告を目的とする販促品であるところ、このような販促品に付された商標ないし表示における判断としては、その表示の態様のほか、その付された宣伝広告のため顧客に無償で提供される販促品であることも考慮して判断されなければならない。

(3)  本件アルバム(甲第4号証)の表紙及び裏表紙の各1箇所には、本件商標と同じ構成からなる表示(引用表示)が見られる。本件アルバムの表紙に見られる引用表示は、女性タレントのポートレートの下側に「FUJICOLOR」及び「プリント」の文字に挟まれる位置に配置されている。また、裏表紙の引用表示も、「ちょっと大きい、サービスサイズ。」、「プリント」という文字に囲まれるように配置されている(別紙2参照)。

このような配置は、本件アルバムを交付する写真店が「FUJICOLOR」を用いて写真プリントのサービスを提供すること、及び上部に印刷されたポートレートにより、「FUJICOLOR」のプリント技術が優れたものであることを顧客にアピールするよう構成されていることは明らかである。

(4)  また、引用表示の標章は、プリントされた写真のサイズが従来のサイズよりも大きいこと、すなわちその写真店にプリントを依頼すれば顧客は従前より有利なサービスを受けられることを含意するものである(甲第5号証の販促品カタログ中、11の商品名は、「L/エル・パノラマタイプ兼用アルバム」とされ、引用表示は、パノラマタイプのプリントとは区別されたプリントのタイプを表象する表示として使用されているものであるが、12の商品名は、「パノラマタイプアルバム」であり、引用表示は付されていない。さらに、引用表示は、しばしば「ちょっと大きい、サービスサイズ。」との文字と合わせて用いられている。)。

(5)  さらに、写真店において、顧客は、写真プリントの注文とは別に本件アルバムを購入することはなく、本件アルバムは、写真プリントを注文した場合にのみ無償で顧客に提供されるものであり、本件アルバムの配布は写真プリントのサービスに完全に従属するものである。

(6)  以上の点にかんがみると、本件アルバムに付された引用表示は、専ら写真店が行う写真プリントというサービスを宣伝するために用いられたものであり、アルバムに「ついて」用いられたものと見ることはできない。

2  引用表示の識別機能

(1)  上記1のとおり、引用表示が写真店のプリントというサービスについて使用されたものであるとしても、他方で引用表示が本件アルバムの出所を示す識別機能としての機能を合わせ有しないかが問題となる。

(2)  しかしながら、写真店は、本件アルバムの出所に着眼してこれを購入するものではなく、本件アルバムを購入する写真店の意識としでは、将来写真のプリントと一緒に自らの顧客に対してアルバムを交付し、プリントサービスのサービスマークとして顧客に引用表示を認識してもらうというものであり、顧客の再来を期待するに適当な表示であるか否かとの観点からアルバムの引用表示を見るにすぎない。

また、被告においても、写真店がプリントする写真のサイズが従前より大きくなったことを顧客に宣伝するために引用表示を付したものであり、本件アルバムが被告の商品であることを認識させるために引用表示を付したものではない。

したがって、引用表示が識別標識としての機能を有するとは認められない。

第4  審決の取消事由に対する反論

1(1)  甲第4号証から明らかなように、引用表示は本件アルバムにおいて、他の文字と比較して相当大きく印刷されており、本件アルバムに接した需要者がまずこの部分に注目することは明らかであり、「L/エル」という商標が付された商品であると認識するといえる。

(2)仮に、引用表示が単独であるいは隣接する「プリント」と一体化して、拡大プリントされた写真との観念をもたらす場合があるとしても、本件アルバムに接した需要者は、これによって引用表示を拡大プリントされた写真を収めるためのアルバムという商品について使用される商標と理解するものと解される。

原告は、本件アルバムの引用表示に接した需要者が引用表示が拡大プリントサービスという役務について使用されていると認識する旨主張するが、そのように認識することは不自然なことである。

2  原告は、写真店は、本件アルバムの出所に着眼してこれを購入するものではなく、顧客の再来を期待するに適当な表示であるか否かとの観点からアルバムの引用表示を見るにすぎない旨主張するが、被告の営業活動に協力している写真店では、本件アルバム上の引用表示を見て、出所が被告にあると認識して取引をするものである。

理由

1(1)  被告が少なくとも本件審判請求の予告登録(平成7年12月26日)前3年以内である平成7年10月当時「アルバム」(甲第4号証)に本件商標と色彩を同一にすれば同一と認め得る態様の商標(引用表示)を使用していたこと(審決書10頁1行ないし4行)は、当事者間に争いがない。甲第4号証によれば、別紙2のとおり、本件アルバムの表紙の上8割程度の部分は女性タレントの写真が占め、下2割程度の部分には、「Fuji」のマーク、「FUJICOLOR」の表示、引用表示、及び「三角のマーク+プリント」との表示が記載され、「Fuji」のマーク、「FUJICOLOR」の表示、引用表示のうち「三角形のマーク+エル」、及び「三角形のマーク+プリント」との表示がほぼ横一列に表示されているが、引用表示のうち「L」の部分は、大きく表示され、上記横一列の表示から下に大きくはみ出した形で表示されていることが認められる。

そうすると、引用表示の使用は、その構成から見て、社会通念上、アルバムについて自他商品識別標識として使用されているものと認められる。

(2)  原告は、本件アルバムに付された引用表示は、専ら写真店が行う写真プリントというサービスを宣伝するために用いられたものであり、アルバムに「ついて」用いられたものと見ることはできない旨主張する。

確かに、弁論の全趣旨によれば、本件アルバムは、最終的には、写真の現像、焼付けを依頼する一般の顧客に対し、出来上がった写真(プリント)を渡すときに、無償で配布されるものであることが認められる。

しかしながら、甲第6号証の1、2及び甲第7ないし第9号証によれば、本件アルバムは、平成7年10月ころ、被告と現像焼付け業者、現像焼付け業者と写真店との間で、それ自体売買の対象となっていたことが認められる。したがって、本件アルバムに付された引用表示は、専ら写真店が行う写真プリントというサービスを宣伝するために用いられたものであることを理由に、引用表示がアルバムに「ついて」用いられたものと見ることができないと解することはできない。さらに、本件アルバムの表紙において、本件表示は「三角形のマーク+プリント」の文字と一体となって使用されているが、上記説示のとおり、引用表示のうち「L」の部分は、「FUJICOLOR」の表示等が構成するほぼ横一列の表示から下に大きくはみ出すように表示されているものであり、このような態様の引用表示は、その右側の「三角形のマーク+プリント」と一体となって、一般の顧客に無償で渡される場合にそのプリントサービスの出所を示すものとして機能すると同時に、その購入者である写真店の経営者らによって引用表示が切り離されて認識され、アルバムの出所を表示するものとして機能していると認められる。

したがって、原告の上記主張は理由がない。

(3)  そして、引用表示の使用が、その態様からみて、社会通念上本件商標の通常使用の範囲内であることは明らかである。

2  以上のとおりであるから、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において前記「アルバム」の商品に使用されていたものであり、これと同旨の審決の認定、判断に誤りはない。

よって、主文のとおり判決する。

(口頭弁論終結の日平成11年2月4日)

(裁判長裁判官 永井紀昭 裁判官 塩月秀平 裁判官 市川正巳)

理由

1. 本件登録第2271376号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として昭和62年1月22日登録出願、平成2年10月31日に登録されたものである。

2. 請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求めると申し立て、その理由と被請求人の答弁に対する弁駁を概要次のように述べた。

(1) 本件商標は、その指定商品中のいずれについても、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2) 請求人は、ローマ字「ELLE」を含む商標を商品区分第16類に出願した(商願平7-15616号)ところ、本件商標を理由として登録の拒絶をする旨の通知を受けた。よって、請求人は、本件商標取消につき利害関係を有するものである。

(3) 本件につき被請求人の提出した答弁書は、審判長が指定した提出期限を過ぎたものであり、手続違反であるから、審理の資料とされるべきものではない。

(4) かりに、被請求人の提出にかかる答弁書が適法にされたものであるとしても、次に述べる理由から、本件商標の使用は証明されていない。

被請求人は、本件商標は、「アルバム」について使用され、当該アルバムは、写真の現像、焼付け業者やカメラ店に対して販売促進用の商品として販売している、と主張し、それを裏付ける証拠として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出しているが、これらは、本件商標の使用を証明するものではなく、被請求人の主張は失当である。

1) 被請求人が取り扱うアルバムは、写真の現像業者、焼付け業者、カメラ販売業者らの販売促進用のものである。乙第2号証は、かかる業者向け販促品のカタログである。したがって、これらの販促品に表示されている「Lエルプリント」の表示は、「Lエルプリント」の商標の下にサービスを行う写真のプリント業というサービスについての商標であると解される。

乙第1号証に表示される「Lエルプリント」の表示も同じく、アルバムについての商標ではなく、写真のプリントというサービスについての商標であると解さざるをえない。

また、乙第3号証ないし乙第6号証も、かかる販促品の取引を示すものにすぎない。

2) 乙第2号証は、被請求人の営業に係わる写真フィルムのプリントをする街の写真店に向けて作られたパンフレットであり、ここに掲記されている各販促品は、街の写真店がこれを購入し、店に並べて写真の「プリント」の広告をするために使うものである。したがって、これらの販促品に表示された本件商標と同じ「L/エル」(以下「引用表示」という。)は、写真店のプリントの広告として表示されているものと考えなければならない。すなわち、これら「引用表示」は、明らかに写真のプリントという役務について使用されたものであり、販促品について使用されたものではないといわなければならない。

3) 乙第1号証のアルバムには、引用表示が表紙と裏表紙の2ヶ所に表示されており、表紙の引用表示は、ポートレートの下側に「FUJICOLOR」と「プリント」の文字に挟まれて配置されている。この構成は、街の写真店が「FUJICOLOR」を使った写真プリントをしていること、そのプリントが掲記されたポートレートのように上手に出来ることを宣伝するものと理解するのが自然である。それ故、引用表示は当該写真のプリントという役務について使用されていると考えざるを得ない。

また、裏表紙の引用表示も、「ちょっと大きい。サービスサイズ」「プリント」という文字に囲まれており、写真のプリントという役務について使用されていると解さざるを得ない。

4) 乙第2号証のパンフレットに表示された販促品は、被請求人が自己の事業拡大のために街の写真店に頒布しているものであり、これを購入する写真店は、販促品の出所を云々してこれの購入を決めるわけではない。街の写真店は、販促品に描かれている広告が自己の商売および被請求人の希望するところに合致するから、これを購入しているにすぎない。したがって、販促品の販売やその目的に照らして、これら購入品が、そこにある引用表示により販促品の出所を確認して、これを購入するという機能を引用表示が果たしているとみることは出来ない。

それ故、被請求人が提出する証拠には、本件商標と同じ構成からなる引用表示を見出すことは出来るが、これらの引用表示は、写真のプリントについて使用されているものである。写真のプリントは第40類に属する写真の引き伸ばしおよび写真の焼付けに該当する役務である。したがって、被請求人は、本件商標がその指定商品のいずれかに使用されている事実を証明できないでいる。即ち本件商標は、その指定商品のいずれかについて使用されていないから、その登録は取り消されるべきものである。

3. 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証を提出した。

(1) 本件商標は、被請求人により本件審判請求の予告登録日前から商品「アルバム」について使用されている。

(2) 請求人は、被請求人の取り扱うアルバムが、現像業者・焼付け業者・カメラ販売業者の販売促進に用いられるものである点を捉え、当該アルバムに付された商標がこれら業者の提供するサービス「写真のプリント業」についての商標であるから、本件商標が商品「アルバム」について使用されている証明はされていないと主張する。

しかしながら、本件アルバムが最終的に販売促進用の商品として使用されることと、本件アルバムが商標法上の商品であるか否かとは無関係である。

すなわち、被請求人提出の乙各号証から、被請求人が、本件商標を付した商品「アルバム」を、相当数の現像業者・焼付け業者・カメラ販売業者に対して、継続的・反復的に、かつ有償で販売していることが明らかである。したがって、本件商標が「アルバム」について使用されていたことは疑いのないことである。

また、現像業者・焼付け業者・カメラ販売業者は、他の同種のアルバムと本件アルバムとを本件商標により区別し、また、本件商標が付されていることにより本件アルバムが一定の品質を有することを期待すると考えられるから、本件商標は、自他商品識別並びに品質保証の各機能を十分に発揮しているというべきである。

このように、被請求人の取り扱うアルバムは、被請求人と現像業者・焼付け業者・カメラ販売業者との間においてそれ自体独立した交換価値を有するものとして取り引きされているものである。したがって、たとえ本件アルバムがその後に販売促進用に無償で配布されるものであるとしても、その前段階の取引においては商標法上の商品として取り引きされていると解するのが相当である。

(3) 請求人は、平成8年5月2日付上申書(平成8年5月29日付手続補正命令書の趣旨に従い、平成8年6月26日付手続補正書をもってその表題を「審判事件答弁書」に補正した。)に法的根拠がないから、同上申書は審理の対象にならない旨を主張する。

この点、商標法第56条で準用する特許法第134条第1項が「審判長は、……相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。」と規定していうところ、この規定は審理の公平を担保すべく対立する当事者の意見を聴するためのものにすぎず、被請求人に当該指定期間内に答弁書を提出することを義務づけるものではないと解されている(乙第7号証および乙第8号証)。すなわち、被請求人が答弁書を指定期間内に提出するか否かは任意的であり、むしろ理論的には審理の終結まではいつでも提出が可能というべきである。

4. よって按ずるに、被請求人提出の商品アルバムの現物(乙第1号証)、販売促進用の各種商品に関するパンフレット(乙第2号証)および注文書、納品書等の各取引伝票(乙第3号証ないし乙第6号証)を総合勘案すれば、被請求人は少なくとも平成7年10月当時「アルバム」に本件商標と色彩を同一にすれば同一と認めうる態様の商標を使用していることが認められる。

そして、当該使用商標は、前記構成よりみて、社会通念上自他商品識別標識として本件商標と同一の機能を果たすものとみるのが相当であり、かっ、その使用商品「アルバム」は、本件商標の指定商品に包含されるものである。

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において前記商品に使用されていたものと認められる。

請求人は、本件商標は「写真のプリント」という役務について使用されているものであり、アルバムの出所を示す商標として使用されているものではない旨主張する。

確かに、本件アルバムは、最終的には「写真のプリント」という役務に付随して顧客に無償で配布されるものである。しかし、そうであるからといって、そこに至るまでの流通過程上の各取引行為においてまで、本件アルバムの商品性がすべて否定されるものでもない。被請求人の取り扱うアルバムは、同人提出の各証拠に照らせば、被請求人と現像業者・焼付け業者・カメラ販売業者との間において、それ自体独立した交換価値を有し、商取引の対象となっているものであることは明らかであり、また、そこに付されている本件商標は、他の同種のアルバムと区別するための標識として十分機能しているとみることのできるものである。したがって、前記の請求人の主張は採用できない。

また、請求人は、被請求人提出の平成8年5月2同付上申書(後に、その表題を「審判事件答弁書」に補正)は、審判長の指定した提出期限を過ぎたものであり、手続違反であるから、審理対象の資料とされるべきでない旨述べるところあるも、商標法第56条で準用する特許法第134条第1項において「審判長は、……相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。」と規定するのは、審理の公平を担保するため対立する当事者の意見を聴するためのものであり、被請求人に当該指定期間内に答弁書を提出することを義務づけるものではない。したがって、指定期間を経過したからといって答弁書が出せなくなるというものではなく、審理が終結するまではいつでも提出できるものというべきであるから、この点に関する請求人の主張も採用できない。

してみれば、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

(別紙)

<省略>

別紙2

<省略>

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